会社名 | 白鶴酒造株式会社 |
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住所 | 〒658-0041兵庫県神戸市東灘区住吉南町4丁目5-5 |
設立 | 1927年(昭和2年)8月2日/創業 1743年(寛保3年) |
事業概要 | 清酒の製造、販売および媒介、焼酎・リキュール・味醂・ワインその他酒類の製造、販売および媒介 ビール・ワイン・醤油・清涼飲料水・その他食料品の販売、不動産の賃貸、化粧品の販売 |
企業URL | https://www.hakutsuru.co.jp/ |

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導入製品:Victory-ONE
業種:製造業・メーカー
課題:消込システムの新規導入 | エクセルからの脱却
1743年(寛保3年)の創業以来、日本を代表する老舗日本酒メーカーとして、酒造りひとすじに歩んでいる白鶴酒造株式会社。同社は灘の地で280年以上、清酒の製造・販売を軸に、焼酎、リキュール、味醂、酒類仲介などを展開しています。酒造業界では老舗の同社が抱えていた課題は、老舗ならではの業務プロセス。社内にはいまだに紙が多く、DXも進んでいませんでした。また複雑に構成された販売形態にも悩まされ、入金消込の件数は月に3万件、年間の対応時間は550時間にもなっていました。今回は、白鶴酒造株式会社 DX・ITシステム室の勝部様と櫻井様に、「Victory-ONE G4」を導入した経緯と導入後の効果、社内におけるDX化の課題などについて伺いました。
目次
日本の文化や経済、農業と密接に結びつき、数百年の歴史をもつ酒造業界。この酒造業界を含め、日本に古くからある業界の流通形態には独特の構造があります。これは「帳合い」と呼ばれる流通の決め事で、卸売・小売の取引において、どの卸売業者が、どの小売業者と取引関係をもつかを決める「取り決め」や「関係性」のことを指します。白鶴酒造においても、卸売業者と特約店、二次店の関係が複雑に構成されています。
「まず特約店がベースにあって、その下に二次店があります。我々はこのグループに出荷していくのですが、請求は特約店ごとに出す場合、二次店ごとに出す場合など、それぞれのグループで違いがあります。にもかかわらず、入金は卸売業者から来るので、入金消込はとても複雑になるのです。」(勝部氏)
「たとえば特約店が5店あるとして、卸売業者からは請求書を全部足してまとめて入金されます。ただしその中に前月不足していた分が混ざっていたり、振込手数料の差し引きや消費税の処理もバラバラだったりしたので、さらに消込は複雑になっていました。」(櫻井氏)
Victory-ONE G4導入前のフロー
実際に消込作業を行う経理部の人員は総勢で10名。その中の4名ほどが、毎月50時間かけて消込作業を行っていたといいます。銀行から来る振り込みデータを紙でプリントアウトし、明細と付き合わせて入金を確認。入金件数は250件/月ほどですが、明細の件数は3万、多いときには8万件にものぼり、消込担当は、銀行から送られてくる振り込みデータと毎月格闘していたのです。
「顧客(卸売業者)は消込担当の各人に割り振られていて、他の人は内容がわかりませんでした。消込担当は、振込データとエクセルを駆使して入金を消し込んでいく。たとえば110万円の請求に対して、100万円の入金があった。未入金の10万円はエクセルに記録しておいて、他の明細からその相当分を探していく感じです。」(勝部氏)
「旧来の財務会計システムは、スクラッチで作られたオンプレミスのシステムでした。開発に使われた言語も古く、これを改修するために予算はかけられなかった。消込機能もありましたが、取引先毎にコード入力の必要があり、手間もかかりました。また、消込残管理も一括金額での管理となるため、顛末管理ができませんでした。」(櫻井氏)
上記のような事情から、DX・ITシステム室では財務会計や人事システムのオープン化を進めることになり、消込のパッケージについても調べ始めました。
酒造業界では、酒造りから販売までを一気通貫に管理できる「酒造パッケージ」というシステムがいくつか販売されています。このパッケージには、業界の慣習に対応すべく売掛管理や消込を行う機能もありましたが、最終的には「Victory-ONE G4」が選ばれました。
「酒造パッケージを調べているうちに、Victory-ONEを見つけました。悩んでいた消込の効率化を考えたときに、Victory-ONEのAIを使った消込機能はとても魅力的でした。売掛システムは請求書発行やインボイス対応も絡んでいるけれど、消込の部分はAIを使ったシステムにしようということになったのです。最後まで酒造パッケージかVictory-ONEかで悩みましたけど。」(勝部氏)
「中期経営計画の中でDXやペーパーレスというキーワードが上がっており、システムのオープン化は必須のものとして考えていました。AIで消込をやってくれるという機能が本当に魅力的で、Victory-ONEを選びました。」(櫻井氏)
ただし社内には、「今までのやり方を変えたくない」、「現在のシステムを改修すればいいではないか」、「できていることが新しいシステムで使えなくなったらどうするのか」という声も多かったといいます。「Victory-ONE G4」の導入決定は2022年でしたが、同社で行われた2021年の予算会議では経営層から以下のような指示が出ていました。
「経営層からは、現行を踏襲したスクラッチ開発にこだわらず、他の方法も検討すること。また業務標準化も視野に入れるように、と言われていました。社内にいくら反対があろうと、会社の将来や効率化を考えれば、各システムのオープン化、DXは必ずやらなければならないことだったのです。」(勝部氏)
「社内のペーパーレス化も深刻な問題でした。当社は経費精算や請求書発行業務など、あらゆる手続きでとにかく紙が多い!コロナ禍をきっかけとして150くらいの業務をペーパーレス化しましたが、まだまだ足りない。DX化推進はペーパーレスへのキモですから、これからもどんどん推進していきます。」(櫻井氏)
このような経緯で、2022年に策定された同社の中期経営計画には「年間550時間かかっている消込時間を40%削減する」と明記され、「Victory-ONE G4」の導入が始まりました。
2022年の4月に「Victory-ONE G4」の導入が決定となり、2023年の4月から本格的に稼働することとなりました。本来はもっと早く稼働できたのですが、旧システムからの切り替えや新しい請求書システムの稼働待ちとなっていたのです。
Victory-ONE G4導入後のフロー
「2023年の4月から6月は、旧システムと並行稼働しながら細かいところをすり合わせしていきました。導入には経理部門から3名、情報システム部門から5名が出て調整に当たりましたね。R&ACさんのサポートもすごくよかったです。最初から入ってもらっていた開発者はずっと相談に乗ってくれましたし、稼働後もよく声をかけてくれました。改修もすぐに対応してくれスピーディーでよかったし、標準化に対しても多く提案をもらいました。」(櫻井氏)
「一番気を使ったのは、旧システムからの残高移行です。旧システムで請求書を発行して、まだ入金のないものは旧システムで処理をしていましたが、キリがないので一部入金された請求データとしてVictory-ONEに渡しました。結局、残高を2回作って連携させるような形になり、その件数と旧システムの残高が合致しているかいちいちチェックしていったので、そこだけは大変でしたね。」(勝部氏)
「でもVictory-ONEの導入効果は絶大でしたよ。今までは手で入力していた消費税や振込手数料の差分が、パッと出てくるし、次回からはちゃんと覚えていてくれる。債権のまとめ機能もいいですね。複数の特約店に対して一括で消込処理ができる。しかも一度グルーピングしたら勝手に覚えてくれるから、これが一番便利かも(笑)。」(櫻井氏)
「Victory-ONE G4」の導入は、債権の可視化と属人化の解消にも役立ちました。まず、今までは経理部門の担当者個人でしか管理できなかった、顛末管理が可視化できました。そして未入金も一覧で確認して、誰でも消込ができるようになったのです。
「従来は卸売業者や特約店ごとに、エクセルのファイルが膨大にありました。それぞれの特約店や二次店は癖があるので、それに対して別々のエクセルを作っていたのです。今回アドオンした顛末管理で、未入金になっている理由や月ズレ、単価間違いなどが一目でわかるようになりました。これで担当者が急遽お休みするとか、やむを得ない離職が発生した場合でも、誰でも消込に対応できます。」(勝部氏)
消込にかかる時間が大幅に短縮されたので、経理部門は本来の業務(コア業務)や、他の処理に手が回るようになりました。とはいえ、伝票の処理などにまだまだ紙が多いので、DXの手は緩められないとお二人は言います。
「DX推進の達成度で言ったら、今はまだ20%くらいです。スクラッチで作った基幹システムも入れ替えないといけないし、精算業務のペーパーレス化も急いで実現させたい。」(櫻井氏)
「新規ビジネスモデルの創造へ向けて、次世代への変革として販売管理システム刷新プロジェクトも始めています。システムの持続性・信頼性の課題解消をしていかないと我々だけじゃなく、若い人が使えなくなりますからね。DXの本丸はこれからです。」(勝部氏)
今回の白鶴酒造株式会社のVictory-ONE G4導入では、以下のようなアプリケーションの機能や導入の工夫が課題解決につながったといえるでしょう。
ClientProfile
会社名 | 白鶴酒造株式会社 |
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住所 | 〒658-0041兵庫県神戸市東灘区住吉南町4丁目5-5 |
設立 | 1927年(昭和2年)8月2日/創業 1743年(寛保3年) |
事業概要 | 清酒の製造、販売および媒介、焼酎・リキュール・味醂・ワインその他酒類の製造、販売および媒介 ビール・ワイン・醤油・清涼飲料水・その他食料品の販売、不動産の賃貸、化粧品の販売 |
企業URL | https://www.hakutsuru.co.jp/ |