今回は、パラマウントケアサービス 財務部の浜田様とパラマウントベッド システム統括部の村田様に、「Victory-ONE」を導入した経緯や導入後の効果などについて伺いました。
各社が事業特性に合わせて最適化された管理体制を運用していたが、グループ全体の連携をさらに強化するため、ERPプロジェクトが始まった
パラマウントベッドグループは、パラマウントベッドホールディングスを持株会社として、傘下にパラマウントベッド、パラテクノ、パラマウントケアサービスを擁して事業を推進しています。
事業会社である3社は、それぞれ以下のような業務区分となっています。
- パラマウントベッド
医療福祉用ベッド、マットレス、病院用家具、医療用器具備品等の製造および販売
- パラテクノ
ベッド・マットレスの点検・修理、消毒、メンテナンスリース等のサービスの提供
- パラマウントケアサービス
パラマウントベッド製品をはじめとするさまざまな福祉用具のレンタル卸事業
それぞれの会社の請求書発行数は業態によって異なりますが、パラマウントベッドでは多くの請求書が毎月発行され、パラテクノやパラマウントケアサービスでも相当数が取り扱われています。
これらはそれぞれ別々の販売管理システムから発行され、入金消込の方法も会社ごとに異なっていました。
「この3社に対して、2018年頃からグループ統一のERPを導入しようというプロジェクトが動き始めました。また、システム導入時にシステムの標準機能に合わせて業務プロセスを調整・変更するアプローチ、フィット・トゥ・スタンダードも同時並行で進めることになったのです。このプロジェクトのERP導入担当がパラマウントベッドの村田、消込システムを中心に導入してくれたのがパラマウントケアサービスの浜田です。」(村田氏)
「このプロジェクトはERPやCRM、BIなど、各社で個別最適化されていたシステムを一斉に変えていくDXプロジェクトの一環で、稼働したのが2023年。綿密な計画のもと、段階的に進められた大規模プロジェクトでした。入金消込のシステムは新しく導入する販売管理のものを使おうかという意見もあったのですが、パッケージを改修して入金消込に対応させるよりは、専門のシステムを入れた方が不具合やリスクを避けられると考えました。」(浜田氏)
パラマウントベッドグループでは各社の事業特性に応じた入金消込体制を運用していましたが、グループ一体での最適化を図るため、既存パッケージを改修するよりも、柔軟性の高いシステムを導入する方が安全だと判断されました。また、新規導入を予定していた販売管理システムは入金データを読み込めず、手動入力が必要となる点も課題となっていました。
この課題に対し、既存システムでは自動連携が難しかったため、より高精度な連携を実現できる方法を検討する必要にも迫られたのです。
従来は各拠点で入金消込業務を実施。各拠点では正確な入金消込作業を行えていたが、さらなる自動化と効率化を目指した
「パラマウントケアサービスの事例をご紹介します。パラマウントケアサービスでは、各拠点および本社の経理担当者がそれぞれ個別に入金消込作業を行っており、消込内容に不一致が発生することもありました。そのため本社の経理部門では、独自に消込チェックリストを作成して対応していましたが、運用負荷が高く、業務のさらなる効率化が求められていました。」(浜田氏)
売掛金の消込業務は、会計にも大きく影響する非常に重要なプロセスです。パラマウントケアサービスでは、業務の正確性向上が求められていました。
このような状況から、浜田氏は今回のプロジェクトを機に専用ツールを導入し、本社の経理に消込作業を集約(シェアード化)したいという思いを強く抱きました。
パラマウントベッドでも各拠点においてそれぞれ入金消込作業を行っており、業務のさらなる効率化が求められていました。
一方、パラテクノはすでに本社へ作業を集約していたものの、さらなる業務最適化の必要性を感じていました。請求書の多さに加え、拠点や本社での消込作業そのものの効率性を今後の成長に向けた改善余地として認識していました。
このように両社では、請求書の多さもさることながら、各拠点、もしくは本社での消込作業の効率が問題となっていたのです。
3社同時にVictory-ONEを導入!パラマウントケアサービスはシェアード体制を構築する事ができた
「入金消込の専門ツールを求め、幅広く市場調査を行いました。新しい販売管理ツールの要件定義を進める中で、自社の要求とのギャップや機能不足が明確となり、最適な専用ツールを選定する必要があったためです。実際には、消込に特化した製品は限られており、類似機能を持つ他製品も比較検討しましたが、最も適していたのはR&AC様のVictory-ONEでした。」(浜田氏)
Victory-ONEの導入プロジェクトは総勢10名。浜田氏をリーダーに各部門が連携してプロジェクトを推進しました。
「業務フローの統一には工夫を要しましたが、各社の協力により約1年半かけて導入を完了させました。またR&AC様の導入支援プログラムの活用により、円滑にプロジェクトを進めることができました。」(浜田氏)
導入後の効果は絶大で、パラマウントケアサービスは各拠点での入金消込作業を経理部門に集約する形でシェアード化を実現。
拠点からはWebViewerで入金・消込状況の確認をする体制になりました。
「入金の差額が発生した場合には拠点に顧客確認を依頼していますが、その件数は減り、顧客対応の迅速化を実現できています。さらに、差異が発生した場合でも誤って手数料処理されることがなくなり、消込作業全体の水準も向上しました。」(浜田氏)
パラマウントベッドやパラテクノが抱えていた運用上の負担も軽減され、各社の消込担当者は本来取り組むべきコア業務に専念できるようになりました。その結果、より働きやすい環境の実現につながったのです。
その他、Victory-ONEの導入は、グループ企業ならではの悩みも解決することができました。
「当グループでは、パラマウントベッドおよびパラテクノがそれぞれの専門領域でお客様にサービスを提供しています。そのため、お客様によっては同一グループ内の複数社とお取引をいただくケースも少なくありません。従来は、各社が個別に請求処理を行っていたため、お客様からのご入金がグループ全体でまとめて行われるケースでは、入金確認に時間を要することがありました。とくに以前の販売管理システムでは、グループ間での入金情報共有が限定的でした。」(村田氏)
「今ではVictory-ONEの同じ画面を各社で共有できるようになり、迅速な情報共有が可能となったことで、業務効率は向上しました。」(浜田氏)
グループの各本社から、もしくは各拠点から、同じ画面を見て入金消込状況を確認できる。
拠点の多いヘルスケア分野ならではのお悩み解決を、Victory-ONEはサポートしてくれているのです。
Victory-ONEの導入で課題解決につながった機能や特徴
今回のVictory-ONE導入では、以下のようなアプリケーションの機能や導入の工夫がグループ運営の高度化に貢献しました。
- AIによる自動入金消込機能
- 各拠点から入金消込状況が確認できるWebViewer機能の活用
- R&ACが提供する導入支援プログラムの適用