稼働開始の期限は4カ月後!? V-ONEクラウドの導入でスピーディーな立ち上げと効率化に成功！

大規模な事業再編に伴う組織の吸収合併。新たなAR（債権管理）システムの導入が必要になった

2021年、Adecco Group Japanは事業再編のため、アデコ株式会社のエンジニア派遣事業部門をModis株式会社に統合しました。従来Modis株式会社では入金件数はさほど多くなく、債権管理と消込作業を表計算ソフトで行っていましたが、この合併により入金件数が数倍となり、債権管理システムの導入が必要になりました。

「アデコで使っていた会計システムはグローバルと共通で、日本でも使ってはいたものの、売掛機能は日本の商習慣に合っておらず前から使いにくいと感じていました。」（市村氏）

「グローバルの会計システムにも消込機能はあるのですが、前月の結果から毎回マスタをメンテナンスする必要がありました。以前のシステムには学習機能がないので、前月消えなかった入金がどこの企業のものか、口座情報と突合せて確認しなくてはいけませんでした。その後、手動で顧客と口座情報を紐づけてマスタ登録する必要があったのです。そのメンテナンスを行って、やっと消込率は7割。次の月のために行う毎回のメンテナンスは、とても面倒でした」（岩崎氏）

事業再編の完了予定は4カ月後。それまでに既存の会計システムを改修することは、とても困難に思えたといいます。

「グローバル共通の古い会計システムに、改修の投資はしたくありませんでした。メンテナンスも面倒でしたしね。かといってスクラッチで自社開発していたのでは、とても間に合わない。スイス本社からは二つの海外製の統合基幹業務システムも提案されていましたが、日本の商習慣に合わせ込むのは容易ではないだろうと予測できました」（市村氏）

そこで候補に挙がったのが、「V-ONEクラウド」です。市村氏は「V-ONEクラウド」の存在は、6、7年ほど前からご存じだったといいます。

「さまざまシステムを検討しましたが、当時から『V-ONEクラウド』がよいと思っていました。そこですぐにR&ACさんに連絡を取り、当社で製品説明会を開いてもらったのです」（岩崎氏）

製品説明会は債権管理の担当者を集めて行われましたが、そこで一同がどよめく事態が起こりました。システム自体の動きの速さ、そして消込完了までにかかる時間の短さに驚いたと話します。

「『V-ONEクラウド』で消込作業をデモンストレーションしてもらったのですが、消込が1分ほどで完了したのです。従来のシステムでは2時間かかっていたものが、です。会場はどよめきましたね（笑）。他の担当者からは、本番でもこんなに早く消えるの？といわれました」（岩崎氏）

「それからは『V-ONEクラウド』導入に向けてスイス本社に掛け合いました。とにかく他の方法では間に合わないから、スピーディーに導入できて、日本の商習慣に合ったシステムを入れたいのだと訴え続けました」（市村氏）

午前中いっぱいかかっていた消込作業がわずか数分で完了

市村氏や岩崎氏の要望はスイス本社にもに受け入れられ、債権管理システムに「V-ONEクラウド」を使うことが決定しました。システムの稼働開始までに許された期間は3カ月でした。

Modis株式会社に事業を統合しても、基幹システムや会計システムはアデコ株式会社で使っているものと変わりません。つまり「V-ONEクラウド」を従来のシステムにつなぎ込む作業が必要だったのですが、「V-ONEクラウド」の導入は予定通りのスケジュールでスムーズに行われました。

「要件定義のスケジュールに、抜けや漏れがありませんでした。提示された通りに導入が進んでいった印象です。R&ACの担当者の債権管理に対する理解度の高さ、提案力、迅速な対応により滞りなく導入できました。何を聞いてもすぐに答えが返ってくる。消込を実際に担当されていたかのような詳しさでしたね。

日本で独自にシステムを導入することに関して、スイス本社の理解を得るための時間はかかりましたが、導入スピードとコストが圧倒的に違いました。とくに導入のスピードは速かった」（岩崎氏）

導入に際しては大きなトラブルもなく、スムーズに「V-ONEクラウド」を導入することができたようです。

「一点だけ、UAT（検収／承認テスト）の中で、請求システムの連携と『V-ONEクラウド』から会計連携するデータに、一部要件定義の想定と違った点が発見されました。しかし、担当者の迅速な対応によりUAT期限内に改修できました。結果としてスケジュールに遅延はなかったし、本当にR&ACの担当者には助けられました」（岩崎氏）

V-ONEクラウド導入後のフロー

「V-ONEクラウド」の学習機能により、メンテナンスを行わなくても、統合されたエンジニア派遣事業部門の入金件数の8割は消し込めるようになりました。また「V-ONEクラウド」では、誤った消込がほぼ発生しないといいます。

「昔の会計システムでは、入金消込で午前中いっぱいかかることが普通でしたが、『V-ONEクラウド』は本当に1分くらいで終わってしまう。また旧システムでは4%程度不明入金が発生していたのに、V-ONEクラウドではほぼ発生しません。統合後の消込作業は追加業務であるにもかかわらず、スタッフに負荷がかかっていないのです」（岩崎氏）

入金消込の速度以外にも効率化に寄与する機能が満載！V-ONEクラウドの導入は大きな効果を上げた

債権管理・入金消込システムの「V-ONEクラウド」導入は、消込の速さ以外にも、さまざまな業務効率化につながっています。

「ソフトの使い勝手と画面のわかりやすさが、旧システムとは圧倒的に違います。旧システムはあまりユーザーフレンドリーではなく、全体的に動作も遅いのです。画面遷移も遅く、マニュアルの消込も1件あたりの反応が遅かったのです。
対してV-ONEクラウドは動作が速く、とてもユーザーフレンドリーにできています。マニュアルを見なくても、画面を見ればだいたい使い方がわかりますし（とくに検索やデータのエクスポート）、担当者は3，4名いるのですが全員から高評価をもらっています。

日本のシステムらしく、かゆいところに手が届く！事業を統合したModis株式会社の従来の案件については、今も相変わらず表計算ソフトで消込を行っているのですが、今年いっぱいで表計算を廃止してV-ONEクラウドに移行する予定です」（岩崎氏）

また「V-ONEクラウド」は、カスタマイズを加えなくても標準で必要な機能がほとんど揃っているので、売掛管理でやりたいことはほとんど実現できているといいます。これから機能を増やすにしても、オプションでほぼ対応できるのです。「V-ONEクラウド」の自動消込の速さと学習機能は処理時間の短縮に、インポート（入金取込）とデータエクスポートの機能は、利便性の向上に確実に寄与しているようです。ただし、今後欲しい機能もいくつかあるようです。

「前受金管理機能の充実ですね。具体的には残高管理や前受金から雑収入など、他科目への振替機能です。前のシステムにもなかったのですが、ここはぜひとも期待したい（笑）。今の使い勝手とこの機能が実装されれば、さらに効率が上がると思います」（岩崎氏）

旧システムに比べて、飛躍的に業務効率を向上させた「V-ONEクラウド」。期待されているがゆえに、進化を止めるわけにはいかないようです。

V-ONEクラウドの導入で課題解決につながった機能や特徴

今回のModis株式会社へのV-ONEクラウド導入では、以下のような機能や特徴が課題解決につながっているといえるでしょう。

• 技術担当者による適切な要件定義
• スムーズに導入できるクラウド版の活用
• AI（学習機能）による精度の高い自動入金消込機能
• 売掛金管理に必要な機能の充実
• シンプルで見やすい画面構成
• 迅速なサポート対応