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口座振替とは|口座振込との違いやメリット、具体的な導入法を解説

口座振替とは|口座振込との違いやメリット、具体的な導入法を解説

複数の顧客から代金を確実に回収したい場合、口座振替を利用すると請求業務を効率化できます。この記事では口座振替を導入した場合のメリットと、実際に導入する際の注意点や導入方法について解説します。

 

目次

口座振替とは、銀行の口座を利用した決済サービスのこと

口座振替とは、銀行の口座を利用した決済サービスのこと

身近なところで口座振替を目にする例として、電気・ガス・水道などの公共料金やクレジットカードの支払いなどがあげられるでしょう。顧客がその都度支払い手続きをしなくても、定期的に支払い代金が銀行口座から引き落とされ、決済が完了します。これが口座振替の仕組みです。
 
事業者側からみた場合、サービスを提供後に顧客から代金を回収する必要がありますが、継続的にサービスを提供する時には、回収を自動化できると便利です。そこで、金融機関や決済代行企業と契約することにより、口座振替を利用できるようになります。
 
ただし、口座振替を利用するには、事業者だけでなく、顧客にも手続きをしてもらう必要があります。双方の手続きが完了して、口座振替のサービスが利用できるようになるのです。

口座振替と口座振込との違い

口座振替と口座振込とは、どちらも金融機関で行われる決済方法ですが、それぞれ異なる仕組みとなっています。この2つの違いを、4つの主要な項目に分けて確認しておきましょう。

 

口座振替 口座振込
手続きの主体 金融機関 顧客
決済方法 口座からの自動引き落とし 支払いの都度、振込手続き
用途 定期的な決済 単発単体での決済
手数料 サービス事業者が負担 顧客が負担

 

決済手続きの主体

口座振替の場合、決済処理は金融機関が行います。ただし手続きの申し込みから初回の利用までには、金融機関での準備が必要になるため、通常は1カ月程度の時間がかかります。口座振込では、サービスの発生ごとに事業者から請求があり、顧客は事業者の口座に送金手続きをしなければなりません。送金処理はスピーディーに行われます。

決済方法

口座振替では事前の設定に合わせて、通常は決まった日付で自動的に引き落としが行われます。顧客側で毎回支払いの手続きをする必要はなく、預金残高だけ確認していれば、基本的には問題ありません。一方の口座振込は、支払いの期限までに、顧客自身が銀行の窓口などで手続きを行います。現在はインターネットバンキングの普及により、以前よりも手間がかからなくなりました。

主な用途

口座振替は定期的に決済が発生するサービスに向いています。公共料金の支払いのように、毎月必ず請求~支払いが生じる場合に、顧客側の手間を最小限に抑えることができます。口座振込はインターネット通販での買い物のように、不定期なサービスの支払いをケースに向いています。

手数料負担

送金には手数料がかかりますが、口座振替ではサービス事業者が手数料を負担します。顧客にとっては、一切手数料がかからないことが大きなメリットです。それに対して口座振込では、1回の決済ごとに顧客側が手数料を負担しなければなりません。なお、手数料は振込金額により異なります。

口座振替のメリット|事業者側

支払い方法ごとの手数料の計算sン

サービス事業者が口座振替を利用する場合、どのようなメリットが考えられるでしょうか。まず考えられることは、確実に代金を回収できるという点ですが、それ以外のメリットを大きく3つに分けて解説します。

未払いリスクを低減させられる

口座振替は顧客の振込手続きを待つ必要がなく、自動で請求代金が引き落とされるため、未払いが発生するリスクを低減できます。口座振込のように、顧客の支払い忘れが生じることもありません。

代金回収の手間がかからない

請求ごとに振り込みを依頼する方法では、顧客にインターネットや郵便で請求書を発行し、その都度支払い方法を通知しなければなりません。口座振替ではこのような手間がかからないため、サービス事業者は代金回収を大幅に簡略化できます。未払いに対する再請求などの手続きもほとんど不要になり、請求および回収業務の効率化が可能です。結果的に経営コストの削減にもつながるでしょう。

対応できる範囲が広い

口座振替は、主に公共料金、定期購入、会員制サービス、保険料の支払いのように、毎月一定の手数料が発生する幅広いサービスに適しています。また、日本では銀行口座を持っていない人はほとんどいないため、誰でも簡単に口座振替を利用できます。クレジットカードでの決済に不安を感じる人や、クレジットカードを持っていない高齢者などが、安心して利用できる点も大きなメリットです。

口座振替のメリット|顧客側

口座振替は、各種サービスを利用する顧客にとっても多くのメリットがあります。ほとんどはサービス事業者と共通していますが、その中から主なメリットを2つ紹介します。

手間がない

顧客側にとっては、金融機関やATMまで出向いて振り込まなくても済むことが第一のメリットです。平日には忙しくて振込手続きができないような人でも、口座振替なら自動で引き落としされるためまったく手間がかかりません。また、振込手数料を支払う必要がないため、手間と同時にコスト削減も可能になります。

支払い忘れがない

毎回サービス代金を請求されるたびに支払いをしていると、つい支払いを忘れて期日を過ぎてしまうことがあります。この場合、再請求の通知を待ち、改めて支払いをしなければなりません。再請求手数料が上乗せされるケースもあります。
 
口座振替なら支払い忘れの心配が不要です。支払い日を意識する必要さえありません。ただし、銀行口座の残高はチェックが必要です。

口座振替のデメリット|事業者側

一般的に口座振替依頼書は郵送でやりとりするため、各顧客に書類を送る手間とコストもかかります。また口座振替がスタートすると、引き落としの手数料はサービス事業者側が負担しなければなりません。

口座振替のデメリット|顧客側

口座振替は申し込んですぐに始まるサービスではなく、通常は2~3カ月程度の手続き期間が必要です。これはサービス事業者にとっても、顧客にとってもちょっとしたデメリットといえるでしょう。

口座振替の導入方法

口座振替の手続きで銀行に行く

ここからは、具体的な口座振替の導入方法について解説します。

事業者側

口座振替サービスの導入には、大きく2つの方法があります。1つは金融機関と直接契約する方法です。もう1つは複数の金融機関と取引する、決済代行会社や信販会社と契約を結ぶ方法です。
 
金融機関との直接契約をする場合、各金融機関と個別に手続きをする必要があり、非常に手間がかかります。一方で、「決済代行会社」や「信販会社」を利用すれば、多くの金融機関との個別の手続きを省くことができます。顧客の利便性を考えると、複数の金融機関を契約を結んでおく必要があるため、事業者にとっては便利なサービスだといえるでしょう。
 
決済代行会社を利用する場合は、申し込みを行い、複数の金融機関の利用審査を受けなければなりません。審査がおりた場合、顧客に口座振替依頼書の記入を依頼します。顧客から振込依頼書を受領できたら、書類を代行会社に郵送します。口座振替サービスを利用する事業者は、一般的に「月額基本料」と「振替手数料」を負担します。代行会社によっては「初回登録料」が必要になる場合もあります。振替手数料は1件あたり100円前後が多いようですが、費用は金融機関や決済代行会社によって異なります。
 
詳しい手続き方法については、「『口座振替依頼書』とは|書き方とよくある不備を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

顧客側

顧客側が行う手続きは、基本的に口座振替依頼書の提出だけです。通常はサービス事業者から送られてきた書類に、必要事項を記入して引き落としに使う銀行口座の印鑑を押し、それを再び事業者に送付します。書類の記載内容に不備があったり、使用する印鑑を間違えていたりすると、手続き期間が長引いてしまうため注意が必要です。
 
インターネットに慣れている人なら、現在はWebで口座振替の申し込みをすることも可能です。ただしこの場合でも、提供する情報に間違いがないか注意する必要があります。インターネットの場合、パスワードの管理などセキュリティ対策にも注意しなければなりません。

口座振替をする際の注意点

口座振替の注意点の確認

サービスを提供する事業者と顧客の双方にとって、口座振替を利用することには多くのメリットがあります。ただし、事業者側では本当に口座振替を導入する必要があるのかどうか、事前に十分検討する必要があるでしょう。
 
まずは口座振替が向いている業種なのかどうか、他に利用している決済手段との一元管理が可能かどうかなど、導入するメリットを再確認してからでも遅くはありません。
 
また、経営コストの削減のためには、なるべく費用がかからない決済代行会社を選ぶことも重要です。月額基本料や振替手数料は、振替の件数が多くなると割安になるケースもあります。自社の顧客管理を見直してみて、どの会社と契約するべきか慎重に検討する必要があります。

まとめ

口座振替を利用すると、未払いリスクを減らすことができます。しかし繰り返しになりますが、顧客の口座情報の間違いや口座の残高不足などを想定すると、未払いリスクをゼロにすることはできません。
 
振替できなかった場合には、再度顧客に振り込み依頼をしなければなりません。BtoB取引では、翌月合算の引き落としや未払い分の再請求などの手続きが必要です。

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