MENU

誤入金をしてしまった・された場合の対処法と仕訳方法を徹底解説

誤入金をしてしまった・された場合の対処法と仕訳方法を徹底解説

もしも自社の銀行口座に、間違って入金があった場合、トラブルを防ぐためにも速やかに返金対応を行いましょう。ただし、相手側が取引先などのケースと、知らない相手からの誤入金のケースでは、その扱い方と仕訳の方法が異なります。
 
この記事では誤入金のケースごとに、会計処理の方法と仕訳の手順を解説します。また、誤入金の基本的な対処法と、逆に相手に対して誤入金をしてしまった場合の対策についても紹介します。

目次

誤入金とは

誤入金とは、本来振り込まれる必要のない入金や、請求額を上回る額の入金を指します。たとえば取引先が振込先を間違えて振り込みしてきた場合や、金額を間違えて多く振り込んできた場合などが該当します。
 
誤入金は、主に人的ミスが原因で起こります。振込先の確認ミス、金額の確認ミス、二重振込などのケアレスミスによって、間違った金額が振り込まれることがあるのです。
 
会計担当者は、誤入金があった場合、適切な仕訳と会計処理をする必要があります。まずは返金などの対処法を決めた上で、それに応じた仕訳を行います。

誤入金をされたらどうすればいいのか

誤入金があった場合には、慎重に対応しなければなりません。誤入金は法律上「不当利得」にあたり、返金義務があります。振り込まれたお金を引き出したり、資金移動させたりした場合、窃盗罪や電子計算機使用詐欺罪が適用される可能性もあります。誤入金が見つかった場合、そのままにしておくことはできません。まず、振り込んだ相手に連絡をとり、適切に返金対応を行いましょう。
 
たとえば取引がある関係で、A社からB社に誤入金があった場合、一般的には誤入金の全額分をA社の口座に振り込んで返金します。また、両社で協議の上、翌月の支払いに充当したり、請求額の超過分だけ返金したりする場合もあります。
 
では、知らない相手から誤入金があった場合にはどうするべきでしょうか。相手側が振込先を間違えたとすると、それに気づくには時間がかかるかもしれません。この場合には金融機関に連絡して、相手側に伝えてもらう必要があるでしょう。
 
いずれにせよ、誤入金には返金の義務があることを忘れてはいけません。返金を拒否したり、引き出して使ったりしてしまうと、最悪の場合、訴訟にまで発展する可能性があります。

誤入金があった時・返金した時の仕訳方法

ここでは、A社からB社に誤入金があったという設定で、B社の立場からケースごとに仕訳の方法を見てみましょう。誤入金を全額返金するケースと一部を返金するケース、そして誤入金を次回の支払いに充当するケースの3つに分けて解説します。

誤入金を全額返金するケース

誤入金があった場合には、入金を確認した時点と返金した時点で2回の仕訳処理が発生します。まずA社からB社に50,000円の誤入金があった場合、誤入金は仮受金として仕訳します。

日付 借方 貸方 摘要
1/31 普通預金 50,000 仮受金  50,000 A社からの誤入金

次に誤入金を全額返金した時点で、以下の仕訳を行います。振込手数料の500円はA社の負担です。

日付 借方 貸方 摘要
1/31 仮受金 49,500 普通預金 49,500 A社誤入金返金
1/31 仮受金  500 普通預金 500 上記振込手数料

誤入金の一部を返金するケース

今度はA社が請求額より多くの金額を振り込んだため、超過した分を返金するケースです。本来50,000円だった請求に対して、80,000円が振り込まれたと設定します。この場合、差額を一度仮受金として仕訳します。

日付 借方 貸方 摘要
1/31 普通預金 50,000 売掛金  50,000 A社売掛金入金
1/31 普通預金 30,000 仮受金 30,000 A社からの誤入金

返金後の仕訳は、全額返金の場合と同じく以下のように行います。

日付 借方 貸方 摘要
1/31 仮受金  29,500 普通預金 29,500 A社誤入金返金
1/31 仮受金 500 普通預金 500 上記振込手数料

誤入金を次回の支払いに充当するケース

A社と協議の上で、誤入金の分を一度保留にしておき、翌月分の支払いに充当するケースです。本来50,000円だった請求に対して、150,000円が振り込まれたとすると、まずは一部返金のケースと同様の仕訳を行います。

日付 借方 貸方 摘要
2/28 普通預金 50,000 売掛金  50,000 A社売掛金入金
2/28 仮受金 100,000 売掛金 100,000 A社からの誤入金

次に、翌月分の請求が150,000円だったとして、そこに保留していた誤入金100,000円を充当する場合、以下のような仕訳を行います。A社からは、差額の50,000円が振り込まれます。

日付 借方 貸方 摘要
2/28 普通預金 50,000 売掛金  50,000 A社売掛金入金
2/28 仮受金 100,000 売掛金 100,000 A社誤入金充当

どのケースにおいても、誤入金は一度仮受金として仕訳して、返金などの処理が済んだ時点で、仮受金をゼロにすることがポイントです。

誤入金をした場合どうすればいいのか

ここで立場を変えて、間違って振り込んでしまったケース、つまり相手側にとって誤入金になる場合を考えてみましょう。まず、振り込んだ直後に間違いに気づいた場合は、金融機関に「組戻し」を依頼できます。組戻しとは金融機関に所定の手数料を支払って、振込依頼人の口座にお金を戻してもらう手続きです。
 
ただし振込手続きが完了して、相手の口座に入金された後では組戻しはできません。その時には相手側に連絡して事情を説明し、返金手続きを進めてもらうことになります。

誤入金に気づいたら、すぐに相手側に電話で連絡をとりましょう。メールなどでは信用問題になりかねません。さらに、謝罪文と合わせて手続きの案内を送付します。相手との話し合いにより、全額返金してもらうほかに、翌月の支払いに充当する方法があることは前に解説したとおりです。
 
もう1つ誤入金で問題になるケースは、連絡先を知らない相手に振り込んでしまった場合です。金融機関に連絡すると、相手側への問い合わせを依頼することはできますが、了承が得られない場合、金融機関は連絡先を教えることはできません。
 
万が一このようなケースに陥った場合、弁護士会照会制度を利用すると相手を特定できることがあるため、弁護士に相談しましょう。

誤入金でよくある質問

誤入金に関連するよくある質問を紹介しましょう。誤入金から返金までを前提にした質問です。

誤入金を使ってしまった場合の返金方法は?

誤入金があったことに気づかずに使ってしまった場合でも、誤入金と知りながら引き出してしまった場合でも、相手側は返還請求をするはずなので、必ず全額返金しなければなりません。
 
原則的には全額を一括返金することになりますが、なんらかの事情がある場合には、分割での返金を相談することも可能です。その場合、相手側と協議した上で分割の回数と1回ごとの返金額を決め、毎回遅延なく返金する必要があります。本来相手側のミスによる誤入金であるため、返金の際の振込手数料まで負担する必要はないでしょう。
 
ただし、この場合あくまでも誤入金に気づかなかったことが前提です。わかっていながら使ってしまった時には、最悪の場合、詐欺罪に問われる恐れもあります。また返金に応じないという態度をとってしまうと、不当利得返還請求訴訟として裁判になるケースもあります。誤入金は全額返金するのが正しい対応なのです。

まとめ:誤入金は引き出さずに全額返金を

最後に、誤入金を扱う場合に注意すべきポイントを3つ挙げます。

  • 誤入金とは、取引先が相手を間違えて振り込みした場合や、金額を間違えて多く振り込んだ場合など、本来は振り込まれる必要のない入金のことです。
  • 誤入金は法律上「不当利得」にあたるため、無断で引き出すことはできません。原則的には全額一括で返済する必要があります。
  • 誤入金の仕訳は仮受金として処理します。その場合、返金のケースにより仕訳方法が異なるので注意が必要です。

誤入金は会計上イレギュラーな処理ですが、仕訳の基本を理解していれば正しく対応できます。この機会に、仕訳帳の書き方などを再確認してみるとよいでしょう。
 
また、会計処理全般を正確に行うためにも、現在進行中のIT化やDX化を考慮して、会計自動化ツールの仕組みやメリットなどを確認してみてはいかがでしょうか。

前のブログへ

ブログ一覧