株式会社Photosynth様は、Akerunブランドのスマートロックを活用したクラウド型サービスやそれを支える社会認証基盤を開発されており、その主力サービスとして「Akerun入退室管理システム」を提供しています。
“つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む”をミッションとして掲げ、Akerunを通じて「鍵」や「セキュリティ」に関する様々な課題の解決と、キーレス社会の実現を目指して取り組みを行っています。
今回、V-ONEクラウドをご導入いただいた経緯や導入後の効果について、株式会社Photosynth 経営管理部 コーポレート管理グループの前田様ならびに黒崎様にお話を伺いました。
月間千件超の入金を2名で処理
システム間の連携が取れず無駄な工数やミスが発生
──V-ONEクラウドを導入する前の消込業務は、どのように行われていましたか?
前田様: 当時は請求書発行システム上で、請求書単位で消込を行っていました。
具体的な方法としては、銀行から入金データをCSV形式で毎日ダウンロードしてきてExcelに転記し、振込人名義や金額を元に請求データを探し出して、照合した結果をExcelシートに書き込み、それを請求書発行システムに取り込む形でした。
請求書に記載されている金額の通りにご入金いただいていれば照合も楽に行えるのですが、一部入金や複数の請求に対して合算して入金されるケースも中にはありまして、これらの照合作業はけっこう大変でしたね。
消込業務の担当は、当時私と入金確認を行う者の2名だったのですが、振込人名義が会社名と一致しないこともあり、消込業務はほぼ属人化していました。
(経営管理部 コーポレート管理グループ 前田様)
※本インタビューは2021年5月に行われており、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスクを着用して頂いております。
──だいたいの入金件数と、消込にかかっていた時間をお聞かせ願えますか?
前田様: 当時は1,000件超の請求書を出していましたので、その分消込業務も発生していたという形ですね。V-ONEクラウドを導入した頃にはさらに増えて数千件ほどありましたので、業務負担も限界に近くなっていました。
振込での入金が毎日発生しており、これを日々処理していましたので、消込業務には毎日1時間ほどかかっていました。また、督促確認を行う際などは半日ほどかかっていましたね。
――当時は請求書発行システムを使って消込を行っていらしたとのことですが、どういったお困りごとがありましたか?
前田様: 本来債権管理では、法人単位を最上位としてその下位層に請求書単位を持つべきなんですが、当時は請求書発行システム上の請求書単位で消込をしていたため、法人単位での債権管理ができておりませんでした。
そのため、最上位の法人単位で管理している財務会計システムに消込結果の仕訳を取り込む際にデータを加工する必要がありました。
また、法人単位でまとめている未入金情報をお客様にお伝えする時には、請求書発行システムへの反映がうまく行かず、財務会計システムと債権残高が合わないということもあり…
さらに入金差額が発生すると、どの請求書の分なのかを一つずつ調べる必要があり、非常に工数のかかる作業になっていました。
取引の件数も増えてきて、請求書発行システムで消込を行うのは限界が来ていましたので、やはり消込に特化したシステム導入が必要だろうと考えていました。
──システムを導入するにあたり、重視した点はありましたか?
前田様: 先ほどお話ししたように、第一にシステム間の連携で課題がありましたので、財務会計システムとデータ連携が容易にできる点は重要でした。
他には、当社のお客様はクレジットカードの期限切れや一時的に口座振替ができなかった場合に臨時でその月だけお振込みされるケースがありますので、複数の請求データと複数の入金手段を、同時に自動で消し込めることも、消込システムに求める最も重視した点でした。
その点を踏まえて、他のクラウド型ERPサービスも検討しましたが、コスト面と消込に特化したUI面から、V-ONEクラウドの導入を決定しました。
──V-ONEクラウドの導入中、気を使われたことや苦労されたことはありましたか?
前田様: 取引先マスタの整備には少し苦労しました。
それまでの消込業務は請求書単位であったため、法人単位の残高管理が財務会計システム以外ではできておりませんでした。そのため、同一法人のお客様が複数の請求に対して合算で入金された場合などに、どのように処理するかが課題となっていました。
この課題はV-ONEクラウドの「グルーピング」機能を用いて解決できましたが、その際のマスタ整備が結構大変で、サポートの方に随時メールなどで助けていただきながら作業を行いました。
また、過去の債権データの取り込みについても、どの時点から取り込むか、どのように取り込むかなどを工夫しました。以前、請求書発行システムをリプレイスした際に、その前後で請求データの形式が異なっていましたので、そこは頑張って取込を行った記憶があります。
当時はV-ONEクラウドの導入だけでなく、銀行が提供している振込依頼人ごとの専用口座や、掛け払いサービスといった仕組みも同時並行で導入していましたので、社内の業務フローや各システムの運用方法などに時間を使い慎重に設計した点が大変でした。
95%以上の自動照合率を達成!
シンプルな操作性のシステムでジョブローテーションもスムーズに
――それでは、V-ONEクラウドの導入効果について伺わせてください。
現在の自動照合率、また作業時間はどれほど削減されましたでしょうか?
前田様: 95%以上は自動で照合できていると思います。
取引先マスタ作成前のイレギュラーな入金を除けば、ほぼすべて自動照合できているのではないでしょうか。
日々の消込業務にかけている時間はそこまで変わらない印象ですが、月次決算のタイミングで経理システムとの照合作業がかなり省力化できています。
導入当時よりお客様の数もかなり増えていますので、実際に当時の運用で今の件数の消込を行っていれば、今よりもっと時間がかかっていたかもしれませんね。そうしてできた時間の中で、滞納顧客の管理により手が回るようになりました。
――現在入金消込の実務を担当されているのは黒崎様と伺っておりますが、V-ONEクラウドの使用感はいかがでしょうか?
黒崎様: 過去、消込業務を担当したことはなく、非常に煩雑で手間のかかる業務という印象だったのですが、当社ではすでにV-ONEクラウドが導入されていたため、想像よりも遥かに楽に消込業務ができていると思います。日々多くの経理業務に追われる中で、ほぼ自動照合で消込ができ時間を有効活用できることは大きなメリットですね。
――入金消込はかなりノウハウが必要な業務だと思いますが、引継ぎに時間がかかったりはしませんでしたか?
前田様: V-ONEクラウドはUIが非常によく、操作的にすごくシンプルなので、あまり引継ぎ時間もかかりませんでした。
もちろん、黒崎さんが順応するのも早かったので、凄いなぁと思っています(笑)。
――属人化していた業務がすぐに引継ぎできたことは大きいですね!
その他、V-ONEクラウドの導入で、何か副次的な効果はありましたか?
前田様: 手作業でExcelを更新していくやり方だと、どうしても人的ミスが発生してしまいますので、未入金のお客様へお支払いに関する連絡をする前に二重チェックが必要でしたが、V-ONEクラウドだと消込の間違いもないため、入金消込から未入金のお客様へ連絡するまでの時間が短くなりました。
また、請求書発行システムで消込の管理をしていた当時は、悪い意味で過去データの修正ができてしまう状態でしたが、V-ONEクラウドでは過去データの修正ができないので、データの正確性に対する不安が一切なくなりました。
(経営管理部 コーポレート管理グループ 黒崎様)
――V-ONEクラウドで便利だな、と思う機能があれば、お聞かせください。
前田様: 複数月分の請求に対して一括入金があった場合も、自動で照合できるところが良いです。
また、振込手数料がどちらの負担でどれ位で…というところが自動消込の段階できちんと加味されるのは助かりますね。以前だと一つ一つ確認する必要がありましたので、かなりの手間となる部分でした。
あとは、お客様からの誤入金があった場合などの科目振替まで財務会計システム連携ができるので、消込だけではなく入金と債権が関係する仕訳のほとんどすべてが、V-ONEクラウド上で自由に設定できるところが良いと思っています。
――ありがとうございます。
最後に、V-ONEクラウドについて何かご要望やご感想などはありますか?
前田様: 本当に消込に特化した、素晴らしいシステムだなと思います。
実は先日別の入金システムの提案を受けたのですが、V-ONEクラウドと比較しても機能面で圧倒的に足りなくて、当社のニーズを満たしませんでした。やはり消込業務ではイレギュラーなことが発生しやすく、自由度が高く痒い所に手が届く点で、入金消込専門システムであるV-ONEクラウドを選んでよかったなと感じています。
黒崎様: 初めて入金消込に触れる担当者でも扱いやすいシステムだと思います。
サポートは充実していますが、マニュアルももっと充実してくればより良いなと思います。
今回はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました!